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□ エリーシア戦記68 □

68-4

【サリス帝国】
 ――モンディア
 モンベルの森の南端に、特徴的な大きな三角形の屋根をもつ木造の家々が並んだ街がある。森から流れ出た清流が街の中心を流れて、自然の温もり豊かな、美しい田舎町である。
 街の産業は林業と、もう一つ、傷によく効く温泉である。
 オーギュストは、夏の休暇をここで過ごしていた。昼間は鷹狩り、夜は温泉と充実した日々を過ごしている。
 鷹狩りには、主だった諸将が参加していた。まさに統帥府が移動してきたような、賑わいとなっている。
 早朝、深い朝霧の中を、7人の将軍たちが、腕に自慢の鷹を乗せて、森の小道を歩いていく。
「かつて上帝陛下は、この地から、カッシーに出陣なされ、かのカリハバール軍を撃破なされた」
 パーシヴァル・ロックハートが、自分のことのように誇らしげに言う。
 瞳も髪も黒い、中肉中背の物静かな男である。鋭い観察力を持ち、軍組織に精通している。周囲から信頼も厚い、武官次席の知将である。
「誠に」
 ゴーチエ・ド・カザルス将軍が頷く。派手さはないが、与えられた仕事を的確に処理し、攻守にバランスのとれた良将である。ちなみに妻は、ナルセスの隠し子ラウラ・ド・セイシェル。
「カッシーかぁ。何もかも懐かしい」
 ロベール・デ・ルグランジェ将軍が感慨深げに囁く。攻勢に定評があり、幾多の戦いで先鋒を任された。サリス軍切っての猛将である。妻は、オーギュストから下賜された、トラブゾンの娘アリサ・アリサト。
「小官も参加したかった。当時、アーカスはバラバラだった」
 レオナルド・セシル将軍が、悔しそうに囁く。赤髪を丸刈りにした小柄な男で、騎馬軍団兵総監を務め、エリーシア随一の騎兵指揮官と呼ばれる勇将である。
「……」
 アレックス・フェリペ・デ・オルテガ将軍が、少し離れた所で、一人目を閉じて想いに耽っている。ルブラン公爵家、スピノザ侯爵家と並ぶニードス公爵の当主である。
 カリハバール軍に一族郎党を皆殺しにされ、一人戦い続けている。数多くの戦いに参加して、無数の武勲を積み上げてきた孤高の驍将である。クリスティーは従妹である。
「小官も陛下のもとに参じてはいなかったが、砦に守ってセリムやバヤジットと戦った。敵ながら見事な用兵だった」
 クラウス・フォン・アウツシュタイン将軍が、殊更に誇ることなく言う。
 アルティガルド軍の士官だったが、上官に恵まれず苦汁をなめ、左遷されるなど不遇をかこつ。しかし、オーギュストの評価は高く、サリス軍転向後は、諸将の列に加えられている。
 妹は、鎮守直廊三人衆の一人マルティナ・フォン・アウツシュタイン。南陵紫龍流の達人であり、粘り強い用兵に定評のある闘将である。
「あははは、すべては小官の逃げる演技から始まった」
 ルカ・ベルティーニが、快活に笑い上げた。
 端整な顔立ちの伊達男で、気まぐれで掴みどころがない。用兵も変幻自在で、局面の打開に使われることが多い。妻は、ミカエラの従妹でナルセスの愛人だったクレア。カッシーの戦いでは、見事囮役を果たした謀将である。

……
………
 チャラ、チャ、チャラン。
 鎖が音を立てる。
――この夢、何度目だろう……。
 ラン・ローラ・ベルは、鎖で手足を拘束されて、天井から吊り下げられていた。裸体の胸と尻に、卑猥な黒い手が這いまわる。剥き出しの秘唇には、背後から凶暴な男根が突き刺さっていた。
「バックが……すごいっ、気持ちイイ!」
 男根が力強くねじ込まれると、髪を振り乱してよがった。
「奥に…奥にあたるぅうう!」
 さらに深く深く引き込むように、自分で腰を振り、喘ぎ声を上げる。
――弾けっ…ちゃっ…ぅうう――
 その顔は、恍惚として、淫靡に染まっていた。口からは歓喜の声と、涎をだらしなく吐き出している。
「うぁっ…んっ、あン、ぁあああ!!」
 秘唇から吹き飛ばされた愛液が、暗闇の中でキラキラ輝いている。その雫の中で、ランは絶頂を向かえた。
………
……
「はっ!」
 瞳がかっと開く。薄暗い中、そこには昨夜と変わらぬ天幕の屋根があった。風にバタバタと大きな音を立てて、常に上下に動いている。
「はぁ~、また変な夢見ちゃったよぉ……」
 情けなさに泣きそうな顔をする。そして、まだぼんやりした頭に、稲妻のような閃きが走り、恐る恐る寝袋を開いてみる。
「あちゃ~ぁ」
 股間の部分に、丸いシミができている。
「どうして、こんな夢見るようになったんだろう……」
 ランは、タンクトップとパンティーだけのラフな恰好で、寝袋から這い出た。薄暗いテントの中には、蓑虫のような寝袋が幾つか転がっている。隣を跨いで通り、出口へ向かう。
 シャワールーム前の廊下には、女性たちが列を作っていた。早朝の仕事を終えて、鷹狩りにそれぞれの主を送り出した従卒たちが、休息の時間に競って入浴を済ませようとしている。
 ランは凝った肩をぐるぐる動かしながら、順番を無視して勝手に入ろうとする。
「ちゃんと順番守りなさい!」
 一人の大柄な女性が、足を組み、タバコを吹かしながら低い声で告げる。
――こんな時に、香子が居ればなぁ……。
 その圧倒的な迫力に、ランは小さく舌打ちをして、渋々と列の最後尾に移動しかける。その時、シャワールームの仕切りカーテンから白い手が出てきて、手招きする。
「ごめんあそばせ」
 ランは、ウィンク一つを残して仕切りカーテンを閉めた。
「ありがとう」
「気にしないで」
 アン・ツェーイが、シャワーを浴びていた。
「夜勤明け?」
「ええ」
「あなたは今から?」
「そう」
 親衛隊は、交替でオーギュストの陣屋を警備している。
 アンの肌は、白く透き通り、はらりと肩まで垂れた栗色の髪が、白い肌によく映えていた。くっきり長い睫、澄んだ瞳、ツンと尖った愛らしい鼻、そして、バラの蕾のような可憐な唇、まるで人形のように理想的に整った容貌をしていた。
 ランはさっと服を脱ぎ捨てて、滴るお湯の中に身を入れる。
「早く済ませないと遅れる」
 寝汗と愛液で濡れ、ほのかに火照った身体を、石鹸の泡で覆い尽くす。
 猫を思わせる大きく、そして、ややつり上がった目を気持ち良さそうに閉じる。すっきり通った鼻と鋭く尖った顎から、お湯の滴が落ちていく。光をたたえた湖水のように、奥行きを感じる唇を軽く開いて、渇いた口腔を潤わせる。
「ああ、気持ちいい」
 一点の曇りもない透明な肌に、お湯の滴が弾かれる。よく鍛えられた引き締まった裸体を、幾筋かの水の流れが絡みついている。
「二人でシャワーなんて修道院以来だね」
「そうね」
 ランの背中に、わざとアンが胸を押し付ける。
「背中の筋肉がコチコチね」
 耳元で囁く。
「最近、『ソノキメ』の出身者が増えて、生意気なのよねぇ」
「そうそう」
 二人は微笑み合う。『ソノキメ』とは、ローズマリーが運営する学院グループの略名で、正式には『名前はそのうち決めます学院』と云う。
 それから、アンは上下に裸体をすべらせて、乳首の先で、背筋の曲線を描いた。
「ねえ」
「何?」
「あたし達って、昔から仲良かったっけ?」
「ええ、決まってるでしょ」
「そうよね」
 ふわりと脳裏に違和感が過ぎった。しかし、そこを深く考えると頭痛がするので、思考を中断する。
「どうしたの?」
 くすりと鼻を鳴らして、アンの手が股間に伸びる。
「はぁん。また変な気分になっちゃうよ」
「オナニーしてたくせに」
 指は迷わず、クリトリスを捕らえる。
「あっ…んっ、もうっ……イッちゃぅうう…イクっ!!」
 凄く敏感になっているクリトリスを摘まれると、火照った身体は簡単に達してしまった。


 午前中、オーギュストは森の中に居た。
「ほぉ」
 森の浅い場所で異様な魔力の値を検知し、調査隊が、森の番人と呼ばれる石像が動き出していることを発見した。
「こいつはウッドゴーレムだな……」
 オーギュストは、自ら討伐に乗り出している。
「動きが変です――」
 従軍魔術師のサーシャ・フェルンストレームが呟く。
 オーギュストと幕僚たちが、高台からウッドゴーレムの動きを観察していた。ウッドゴーレムは、森の谷の中を不規則に徘徊しているように見えた。
「さっきから同じ所をぐるぐる回っています」
「誰かが――」
 オーギュストは、不敵に口の端を上げた。
「動力を与えたが、制御し切れずに、放置したのだろう」
「迷惑な」
 幕僚総監ベアトリックス・シャルロッテ・フォン・フリッシュが、眉を顰めて言う。
「これも一連の不穏なアルティガルドと繋がりがあるのでしょうか?」
 主席副官ルイーゼ・イェーガーは、緊張した面持ちで囁く。
「恐らくそうでしょう」
 答えたのは、情報部長の刀根留理子である。声に張りがある。充実した責任感に、身心が、程よく引き締まっているようだった。
「部品を回収すれば分かるさ」
 言いながら、徐にオーギュストは床机から腰を上げた。
「さて、足の傷の治り具合を調べるのに調度いい」
 斜面を滑るように降り、ウッドゴーレムの前に立つ。即座に、ウッドゴーレムは、接近者を敵と認識した。野太い両腕を伸ばして、迫ってくる。
「きぃえいッ!」
 オーギュストは奇声を上げて踏み込み、上段から電光石火の一撃を振り下ろす。ウッドゴーレムは、一刀両断に切り裂かれた。
「試し斬りにもならんか……」

「さすがだぁ……」
 ウッドゴーレムを遠巻きにしていた親衛隊の中に、ランがいた。遠くから観戦して、ランは思わず、ため息をもらした。剣術を学べば学ぶほど、オーギュストの強さが骨身に染みる。
 ランは、その一部始終を食い入るように見た。
――す、すごい……。
 自分の股間がじゅっくりと濡れ、ショーツを溢れ出した愛液が、太腿を這い落ちていくのが分かる。
――……欲情している。
 頭がくらくらと揺れ、腰ががくがくと震えた。もはや立っているのがやっとだった。
 ランはよろけながら、仮設トイレへ急いだ。そして、ドアを閉めると、軍服のスラックスを乱暴に膝の所まで下ろし、ショーツの縁をずらすと、秘唇に直接指を宛がう。
「はッあッ…はあ…ああっ…ああんッ……」
 ぐちゅう、ぐちゅっ、という淫靡な音が陣中の簡易トイレの中に響く。脳裏には、オーギュストとその女性たちの痴態が鮮やかに甦っていた。オーギュストの警護の最中に、何度も何度も垣間見た光景である。

 ある時は、キーラ・ゼーダーシュトレーム。
 うつ伏せの状態から、尻を高く持ち上げて、タイトスカートを捲り上げている。ショーツは穿いておらず、すでに濡れた秘唇を自らの指で開く。いつもの凛とした表情とは違う、赤く歪んだ顔で哀願している。
「あ…あっ…あたしはギュス様の忠実な僕です……ど…どっ…どうか早くオマ○コにペニスを入れて…あたしをイカせてください」
 言いながら、キーラは自分でブラウスのボタンを外すと、均整の取れた乳房を揉み出す。
「主人に奉仕させるつもりか」
「ご…ごっごめんなさいッ…ごめんなさいぃッ」
 怯えきった瞳で、オーギュストを見上げている。
 オーギュストが背後からペニスを打ち込むと、口から涎を垂らしながら喘ぐ。
「おっ…オマ○コが…あたしのいやらしいオマ○コが…はぁぁ~ん…気持ちイイ!」
 あの勇猛果敢な女が、メスの悦びに満ち溢れている。

 ある時はサンドラ・ジラルド。
 四つん這いになった背後から、アヌスにペニスを受け入れる。
「うっ……はぁ~っ…うう~ん」
 痙攣するように体を震わせると、喘ぎと共に、こらえていた空気を一気に吐き出す。
「たまらないわ……もっともっと狂わせて」
 すでに自制心を失っているサンドラは、なりふり構わず腰を振っている。
 そして、オーギュストがサンドラのしなやかな指を掴むと、サンドラの秘唇へと導く。
「自分の指を入れてごらん」
 サンドラはいやいやと首を振るが、言われるままに指を入れる。
「アア……どうして…止まらないっ……ずっと…ずっとイッてるみたい……イイッ…たまらないわっ!」
 と、薄皮一枚を隔てて、オーギュストのペニスを感じる。あたかも二人の男に同時に犯されているような性的倒錯に、異様なほど昂奮は高まり、獣のように荒い息を吐き続ける。

 ある時はマルティナ・フォン・アウツシュタイン。
「ギュス様、もっともっと」
 黄金のベッドの上で、胡座をかくオーギュストに向かい合い、その上に腰を降ろして、抱き合って繋がっている。
「もっと…深く突いてくださいっ!」
 マルティナの薔薇のような唇が、ついばむようにオーギュストに口づけを幾度か行い、その後、しっかりと唇を重ね、貪り吸う。
「あうん…あん…あんっ」
 以前に比べて女らしさを増した身体は、柔らかく膨らんだ胸と尻、引き締まった腰が、艶かしい曲線を描いている。その胸の膨らみは、オーギュストの胸板に押し潰され、白く細く長い腕がオーギュストの首に巻きつき、くびれた腰にはオーギュストの手が食い付いている。
「はぁん、あん、あん、あん、あーん」
 オーギュストの突き上げる腰の動きに合わせて、マルティナも巧みに腰を上下させて、甘い吐息を洩らしていた。

 いつしかマルティナの姿が自分自身に変わった。空想の中のランは、オーギュストの上で、至上の悦びに酔い痴れて、喘いでいた。
「いいの、もっと、もっと突いて」
 その表情は恍惚として、酸素を貪るように口をパクパクさせながらも、喘ぎ声と涎をだらしなく吐き出している。
――これがボクの本性……――
 ランの瞳が、妖しく濡れ光る。


 昼、オーギュストは、逸早く、昼食の場となる東屋に到着していた。東屋は、白い円柱が並ぶオープンカフェで、庭には熱帯性の植物が植えられている。すでに、たくさんの料理が用意してあった。
「今日の演習は上手くいきました」
 軍令部長のマルコス・サンス・デ・ザウリが、ナプキンを膝に敷きながら、満足そうに呟いた。
「演習ではない。鷹狩りだ」
 オーギュストが、食前酒を白いクロスのかかったテーブルに置いて、しつこい口調で訂正を入れた。
「御意」
 ザウリは姿勢を正して、恭しく頭を下げて、それから上機嫌に笑い始めた。
「この軍勢があれば、勝利は間違いありませんぞ」
 ザウリの甥、上帝軍筆頭司令官エステバン・イケル・デ・ハポンが、若者らしく興奮を隠し切れずに口を滑らせた。
「勘違いするな――」
 途端にオーギュストは真剣な表情になり、鋭い口調で釘を刺す。
「将官の力量だけなら、アルティガルドの方が遥かに上だ。ガキの頃から競争を繰り返し、選りすぐられた超エリートばかりだ。その辺の成り上がりとはモノが違う」
「……」
 ザウリは強張った顔で、横目で甥を見て、テーブルの下で小さく手を動かすと、慌ただしく諌めた。
「も、申し訳ございません」
 ハポンは、恐縮して深く頭を下げる。
 しかし、オーギュストの機嫌は直らない。
「兵糧の準備は終わっているか?」
 今度は、ザウリの奥に坐る、参謀本部のヤン・ドレイクハーブンに問う。
「はい。20億Czの兵糧をセリア港に集めております」
「うむ」
 オーギュストは、小さく唸る。
「留理子――」
 今度は、情報部部長刀根留理子を見遣った。
「戦いの後、ジークフリード、もしくはその後継者が、交渉に応じない場合もある」
「はい――」
 刀根留理子は、落ち着いた表情で頷く。
「人選は進んでおります。一人は、改革派の首魁ロマン・ベルント・フォン・プラッツ。もう一人は、ハルテンベルク子爵家の遺児アリーセ・アーケ・フォン・ハルテンベルクです」
「インテリと令嬢か……」
「御意」
 オーギュストは、小さく呟き、少し首を捻って考える。ピリピリする雰囲気を周囲に振り撒き続けていた。
「少し弱いなぁ。インパクトの強い奴を加えろ」
「申し訳ございません。すぐに人選をやり直します……」
 慌てて留理子は資料を捲り始める。
「あははは……あ?」
 そこへ、諸将が呑気に獲物の話をしながら、到着した。
「……」
 すぐに、全員が場の空気に気付いて、急に口を噤んで、黙って席に着く。
「全員揃ったか?」
 オーギュストはゆっくりと立ち上がり、片手に黄金に輝くシャンパンを掲げて、全員を悠然と見下ろしながら、重い声を放つ。
「今日の成果に満足し、そして、明日のさらなる成果に期待して乾杯しよう」
「上帝陛下、万歳」
 諸将は、一斉に跪き叩頭して、声を揃えて主君を讃え続ける。


 その夜、ロックハートの陣屋の中心部では、灯がなかなか消えなかった。
「拙いなぁ……」
 ロックハートは、妻ローラを相手にして酒を飲んでいた。ランプの淡い光を横から受けて、顔に深い影が作り出されている。
「お酒が口に合いませぬか?」
 ローラもため息をつきながら、夫のグラスに酒を注ぐ。
「違う。今夜の行幸だ……」
「陛下に行幸頂けなかったのは残念ですが、また次回の機会もありましょう」
 ローラは、大富豪ハンザの未亡人で、巨額の遺産を持参金に、ロックハートと再婚している。また、カーン公爵家の末裔リタ・ベス・ロックハートとラン・ローラ・ベル姉妹の父方の叔母でもある。
「あろうか……?」
「ありますよ」
 ロックハートは、オーギュストを自分の陣屋に招待したが、あっさりと断られてしまった。
「どうも、陛下は私を遠ざけておられるような……」
 グラスの中の酒に、今にも泣き出しそうな顔を映して、蚊の泣くような声で囁く。
「そんなことはありませんよ。貴方の功績は誰でも知っています」
 優しい声で慰めるが、さっさと自分で水割りを作って、一口含んで天井の彼方の虚空を眺める。
「しかし、北辺統括の役も失った……」
 益々湿り気の多くなった声で愚痴る。
「北辺など何が惜しいことがありましょう。貴方は統帥府において、リューフ将軍に次ぐ重責にあります」
 平坦な口調で答える。
「……そうだが……どうも陛下は私を遠ざけておられる……ような気がする……」
 酔っているせいもあろうが、何度も同じ台詞を繰り返している。
「そんな事ありませんよ」
「気休めはもういい!」
 酔いがいよいよ進み、世界がぐるぐる回り始めて、気がどんどん大きくなっていく。ロックハートはグラスをテーブルに叩きつけて、中身をその辺にばら撒いた。
「まあまあ」
 ローラは冷静に呟き、これ幸いに席を立って、拭く布を取りに行く。
「……」
 表情を変えずに、ばたりと、ロックハートはソファーに横たわる。そして、同僚たちの顔を思い浮かべていた。
 騎兵専科のセシルは所詮捨駒である。本人も処世術を知らず出世もここまであろう、問題はない。
 しかし、カザルス、ルグランジェ、ベルティーニは、大した功績もないのに同格の扱いである。ましてアレックスやクラウスは外様である。
「陛下との絆が足りんだぁ……」
 目をつぶり、クッションの中でぼそりと呟いた。


 暗闇の中で、汗に蒸れた二つの裸体が、激しくもつれ合う。
 舌先を伸ばして、万遍無く舐め尽くし、そして、深く咥え込む。女は、貪るようにしゅぶった。そのテクニックに、オーギュストをすぐに満足していく。
「おいしい……です」
 口の中で反り返る物を感じて、女は上目遣いで微笑む。全身を荒い網タイツで覆っている。しかし、ふたつの胸の膨らみと股間の部分は大きく穴が空き、女性の急所を丸出しにしている。女はその穴に指を入れて、自分で秘唇を撫でる。忽ち、卑猥な水音が鳴り、いやらしい汁を滴らせる。
「もういい、こい」
「はい」
 弾むように返事して、嬉しそうに頷く。そして、女は膝で進みながら、オーギュストの上に跨った。
 オーギュストが胸に触る。その手の上に、女は自分の手を重ねる。
「あっ、あーん……」
「凄い蒸れようだな」
 指で秘唇をかき混ぜて、嘲笑交じりに囁く。
 言葉通りに、女の股間から垂れ落ちた粘液が、ぽたぽたと落ちていく。
「もう焦らさないでください……」
 女は、甘ったるくねだった。
「もっと可愛く」
「ああ……あたしのオマンコに……陛下のおチンチンが突き刺さって……思う存分かき回して……ください」
 女は自分で言った言葉で、より昂奮を高めていく。
「オマンコをしたい。オチンチンが欲しい。SEXが大好きなの」
 羞じも外聞もかなぐり捨てて、女性である事も忘れ、ただ一匹のメスとなって、泣きねだる。
「いい女になった。よし、腰を下ろせ」
「ああ、嬉しい」
 許しが出ると、女は腰を落として、巨槍を咥え込む。そして、自ら腰を動かし、快楽を貪った。
「あああ……もっと!! もっとお!!」
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Date:2011/04/17
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Comment

* あとがき

ということで、三日頑張って二日休みましたw
最近気付きましたが、病気には頑張らないことが大切なんですよね。しかし、ほんと難しい。
さて、親衛隊のターンです。で、気が付かれた方もおられると思いますが、基本セルフカヴァーです。旧版をこぴーアンドぺーすとしただけです。まあ病人なんでご勘弁ください。次回は無事ランの当番となるのか、少し不安です。エルフも子爵令嬢もそろそろ何とかしないといけないので……。
それから、武将も少し整理してみました。まあ男のキャラに興味はないでしょうけど。
今回はこれで終わりです。お付き合い頂きありがとうございました。次回も是非またお越しください。ではでは。
2011/04/17 【ハリー】 URL #9ddgPdqs [編集] 

*

完結までついていきます!
2014/04/19 【sana】 URL #YjTMmlic [編集] 

* Re: タイトルなし

> 完結までついていきます!

ありがとうございます。
頑張ります!
2014/04/20 【ハリー】 URL #- 

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